なぜ海外では流行らない?日本で大人気のハイブリッドカーの事情

こんにちは!今日は皆さんがいずれは使用する可能性のあるハイブリッド(HV)カーについてお話したいと思います。ハイブリッド車とは2つ以上の動力源を持つ車両のことを指します。日本では一般的に、内燃機関(エンジン)と電動機(モーター)を動力源として備えたHEV(hybrid electric vehicle)が主流です。エンジンとモーターを組み合わせたことによってとても低燃費な走りが実現できるので、環境に優しいだけでなく、私たちのお財布にも優しいのです。

しかし、このハイブリッドカーが人気なのは日本だけだといいます。なぜ日本だけなのかを考えていきたいと思います。

日本では18年間で800万台..果たして多いのか?

2015年8月21日のトヨタの発表によると、ハイブリッドカーの世界販売台数は800万台を突破したそうです。

「21世紀に間に合いました」をキャッチフレーズに、世界初の量産HV車である初代「プリウス」が登場したのが1997年のこと。つまり18年間かかっての数字ということになります。この数字、はたして多いのでしょうか、少ないのでしょうか?
そもそも、ハイブリッドカーの人気が高いのは日本だけと言われますし、実際に欧米メーカーではプリウスのようなエンジンとモーターを頻繁に切り替える、いわゆる「ストロングハイブリッド」は見当たりません。また、トヨタが当初目論んでいたとされるハイブリッドユニットでのシステム販売も、マツダが買ったぐらいです。

日本人にとっては世紀の大発明。ハリウッドセレブも乗っているし、世界の人々もこぞって買ってくれているだろう、と思ってきましたが、ひょっとすると“カラパゴス化”がここでも起こっているのでしょうか。まず800万台の内訳から見てみると、一番多いのが日本で約半数の388万7800台北米は278万9100台で、欧州は93万100台です。つまり欧州では、全体の1割強ぐらいしか売れていません。

北米ではかなりの台数が売れているのでは?と思うかもしれませんが、広大な北米市場における1年間の販売台数は約2000万台。そのなかで累積約279万台というのは、かなり小さい数字だと捉えられます。逆に、日本市場は555万台程度。市場規模が北米の3分の1にも関わらず販売台数が1.3倍もあるというのは、やはり日本国内での人気が高いことを示しています。

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風土、気質に合わないハイブリッドカー

素晴らしいシステムであるのにも関わらず、海外で人気の出ないハイブリッドカー。その理由はどこにあるのでしょうか?

まず大きいのが使用環境や道路事情にあります。日本は信号が多く、渋滞も頻発するため、どうしてもストップ&ゴーが多くなります。この点は、ハイブリッドカーが有利なのは確かです。
一方、海外ではパリなどの一部を除いて慢性的な渋滞も少なく、高速道路の制限速度も高いのが一般的です。ドライバーの気質としても、出せるところではしっかりスピードを出す傾向があり、一般道・高速道路ともに平均速度が速くなります。レンタカーなどで海外の高速道路を走った経験がある人なら、そのスピードの速さと周囲のキビキビとした走りに驚いたこともあるのではないでしょうか。そうした高速走行時、ハイブリッドカーはエンジンで走りっぱなしになります。しかもそのエンジンはモーターのアシストを前提としているため、小排気量かつ低パワー。速い速度域でキビキビ走るには力不足となってしまいます。もちろん燃費にも影響が出るため、敬遠されてしまうのも当然かもしれません。つまり欧米、特に欧州はエンジン重視のため「ダウンサイジングターボ」が注目されている、ということになります。あくまでもエンジン単体で環境性能を高めることで、ドライバビリティも確保しようというわけです。知り合いの欧州人に聞いても、「モーターやCVTなどの滑ったようなフィーリングは好きになれない」という答えが多く返ってきます。ちなみにCVTも、いまや日本だけの“ガラパゴス化”しつつある装備です。

また、海外メーカーはトータルでの環境負荷についても大きく配慮する傾向にあり、肝心のバッテリーについての問題が解消されていないというのも、敬遠する理由となっています。バッテリーを作る際の資源やコストのみならず、劣化が絶対に避けられない点も大きなリスクとして捉えられているわけです。
確かにエンジンであれば、オーバーホールやリビルトエンジンへの交換などで比較的簡単に性能が復活しますが、バッテリーは10万km走行時に70%ぐらいまで劣化するとされています。しかもその交換体制などは確立されていませんし、交換できたとしても、価格はかなり高いものになってしまいます。

 

燃料電池車はハイブリッドカーが教訓に?

ハイブリッドカーが日本で高い支持を受けている理由は、ほかにも考えられます。複雑なシステムの実用化を目指して努力して、克服することに喜びを感じやすい国民気質、というのは大いに関係しているでしょう。購入する側も同様で、この素晴らしさは世界中で分かってもらえると思いがちですが、結局“ガラパゴス化”してしまうのは携帯や家電などで見受けられてきたことです。ちなみに、逆に誤解となっているのが特許の問題です。トヨタが囲い込みすぎて他社が手を出せなかったという意見も聞きますが、実際は各メーカー間で特許のやり取りが頻繁に行われているため、“お互い様”ということもあって特許料は数十万円程度と微々たるもの。採用を躊躇するほどではないようです。
また、トヨタがハイブリッドカーでの囲い込みに失敗したことから、燃料電池車についてはいち早く特許を公開したという論調もありましたが、こちらはまだ確立されていない燃料電池の規格に対して世界的にいち早く布石を打つというのが目的で、ハイブリッドカーにおける失敗からの教訓ではないでしょう。

ただ、一概にハイブリッドカーがダメというわけではありません。アメリカのCAFE基準や、欧州でのCO2排出量規制強化など、環境性能を取り巻く状況は深刻さを増しています。現状のHV車ではクリアするのは困難とされていますが、さらに進化させたプラグインハイブリッドカーなら、クリアできる可能性はかなり高まります。この点に、ハイブリッドカーが世界規模で普及するカギがあるのではないでしょうか。もしかすると、さらに“ガラパゴス化”が進行するリスクはありますが、進むしかないのもまた事実です。ハイブリッドカー、今後の展開に注目です。images (3)

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日下健吾

日下健吾Vote→Japan ライター

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日下健吾(くさか けんご)と申します。野球と食べ歩きが趣味で、好奇心旺盛です!!特にテーマを絞らずいろいろな記事を書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

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